大阪市西区で中小企業の給与計算や労務管理をサポートする「なにわ総合社労士事務所」です。
今回は、メンタル不調者への受診について。
最近では、ストレスにより体調を崩す社員が増えているように見受けられます。メンタル不調には、本人より周囲が先に気づく場合が多く、医療機関を受診するよう勧めても本人に自覚症状が乏しく受診への抵抗感から拒否するケースも多いかと思います。
まずは、受診を勧めるべきかどうかの判断基準として、①仕事以外の時間でも気分の落ち込みや苛立ち、不安感を感じる場合、②こうした状況が2週間以上続く場合、には受診を勧めた方がいい目安と言えます。
周囲から受診を勧めたとしても、本人が応じない場合は、不調者の心情や立場に立って丁寧に体調を確認することで自覚を促すことが必要であり、「病気ではないことの確認のために受診した方がいいのでは?」と促してみるといいかもしれません。気分的な精神症状以外に、食欲低下や不眠、頭痛や下痢、動悸、胃痛などの身体症状がある場合には、内科や耳鼻科といった診療科を受診し、身体的に異常がなければ精神科や心療内科を紹介してもらう方向もありでしょう。
精神科は心の症状や病気を専門とし、心療内科は心理的、社会的要因を原因としたからだの症状を専門とする診療科になりますので、心の症状がはっきりしている場合は精神科を、身体症状の自覚が強い場合は心療内科を受診するよう勧めるのがいいでしょう。ただ、実際には心とからだの症状が併存する場合も多いですし、現状では医療機関としても明確に区別されているわけではないようです。
まずは早めに医療機関を受診することが、早期に回復できることにつながりますので、周囲がメンタル不調ではないかと気づいた際の支援体制を築いておくことが重要です。